ほくほくの焼き芋や大学芋。
さつまいもがおいしくなる季節ですよね。
芋掘り遠足でさつまいもを持ち帰ってくる子もいるのではないでしょうか。

ところで、さつまいもって野菜なのでしょうか?
それとも穀物?
甘いから果物…?

子どもに「さつまいもって何の仲間?」と聞かれて、答えに詰まったママもいるかもしれません。
先に結論をお伝えすると、ふだんの会話や買い物では「野菜(根菜)」でOK。ただし栄養の分け方では、野菜とは別の「いも類」です。
見る立場で分類が変わるので、ポイントを整理しておきますね。

そこでこの記事では、国の統計や食品成分表をもとに、次の内容をまとめてみました。

  • スーパーや家計簿では:野菜(根菜)の仲間
  • 栄養調査や食品成分表では:「いも類」という独立した区分(穀物でも野菜でもない)
  • 植物としては:根が太ったもの(じゃがいもは茎)
  • 穀物・果物か:どちらでもない
  • 学校の宿題では:3色なら黄、6つの基礎食品なら第5群、4つの食品群なら第3群

学校で習う「何群?」の答え方や、いも類の中での栄養の特徴もあわせて紹介します。
子どもの宿題や食育の参考にしてくださいね。

さつまいもは野菜?穀物?果物?答えは「見る立場で変わる」

さつまいも

「さつまいもは◯◯です」と一言で決められないのには理由があります。
国の統計では、目的ごとに食べ物の分け方が違うんです。

農畜産業振興機構(ALIC)が掲載している資料「野菜の定義について」には、次のように書かれています。

野菜の分類・定義はそれぞれの分野の特性に応じて行われており、共通的・統一的なものはない(後略)

引用元:農畜産業振興機構(ALIC)掲載資料「野菜の定義について」

同じ資料に、品目ごとの区分をくらべた表があります。
さつまいもと、比べると分かりやすい3つの食べ物を抜き出しました。

品目 農水省の生産統計 総務省の家計調査 農水省の食料需給表 厚労省の国民健康・栄養調査
さつまいも 普通作物(米・麦と同じ作物統計) 生鮮野菜(根菜) いも類 いも類
じゃがいも 野菜(根菜類) 生鮮野菜(根菜) いも類 いも類
さといも 野菜(根菜類) 生鮮野菜(根菜) 野菜 いも類
いちご 野菜(果実的野菜) 生鮮果物 野菜 果実類

出典:ALIC掲載資料「野菜の定義について」別紙をもとに作成。区分は資料作成時点のものです

同じ「いも」でも、さつまいも・じゃがいも・さといもで扱いがバラバラですよね。
さつまいもは、家計簿の世界では「野菜」、栄養の世界では「いも類」と覚えておくとスッキリします。

ここからは「穀物?」「野菜?」「果物?」をひとつずつ見ていきましょう。

さつまいもは穀物?

「さつまいも 穀物」で調べる方が多いのは、ごはん代わりになりそうなイメージがあるからかもしれません。
結論からいうと、さつまいもは穀物(穀類)ではありません。

農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」では、穀類を「米、小麦、そば、雑穀、トウモロコシなどをさす」と説明しています。
いもはこの中に入っていません。

ただ、穀物と勘違いされやすい理由もちゃんとあるんです。

  • 統計で米・麦と同じ扱い:農水省の生産統計では、かんしょ(さつまいも)は米・麦と同じ「作物統計」に載っています
  • エネルギー源になる:でんぷん原料にも使われ、エネルギー源でもあるため「普通作物」に分類されています
  • 主食の代わりに食べられてきた:江戸時代には飢饉に備える「救荒作物」として全国に広まりました

さつまいもの原産地は、メキシコを中心とする熱帯アメリカとみられています。
日本には1597年に宮古島へ入ったのが最初と言われ、その後、琉球・薩摩を経て広まりました(日本いも類研究会による)。

つまり、役割は主食に近いけれど、分類としては穀物ではないというのが答えです。

さつまいもは野菜?

さつまいも 値段 スーパー

スーパーでさつまいもを探すと、にんじんや大根と同じ野菜売り場に並んでいますよね。
買い物する側の感覚では、さつまいもは「野菜」です。

総務省の家計調査(2025年1月改定の収支項目分類)でも、さつまいもは「生鮮野菜」の中の「根菜」に入っています。
じゃがいも・さといもも同じ根菜です。
家計簿をつけるなら、さつまいもは野菜(根菜)でOKということですね。

一方で、「野菜とは何か」には、実は統一された定義がありません。
先ほどのALICの資料では、農林水産省の生産統計での考え方として、次のように説明されています。

一般に、野菜とは、食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま副食物として利用されるもの

引用元:ALIC掲載資料「野菜の定義について」

「副食物」とは、ごはんに添えるおかずのことです。
さつまいもはおかずにも主食代わりにもなるので、この点でも立ち位置があいまいなんですね。

野菜の統計や「1日350g」には入らない

ややこしいのが、野菜売り場に並んでいても「野菜」として数えない場面があることです。

  • 農水省の野菜統計:根菜類は大根・人参・じゃがいも・さといも・かぶ・ごぼう・れんこん・やまのいもで、さつまいもは入っていません
  • 国民健康・栄養調査:いも類は野菜類とは別の区分です
  • 健康日本21の「野菜350g」:この調査の野菜類をもとにした目標なので、いもは含まれません

なので、「今日は野菜が足りないから焼き芋でカバー」とはならないんです。
さつまいもは「野菜350g」には数えず、葉物などの野菜もしっかりとる(食事バランスガイドでは副菜として数えます)と覚えておくと献立づくりに役立ちます。

さつまいもの値段やお得に買えるお店は、こちらでまとめています。

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さつまいもの値段は1本いくら?安い時期・安いスーパーと通販を比較【2026年】

さつまいもは果物?

おやつで食べることも多く、甘いさつまいも。
「もしかして果物?」と思う方もいるかもしれませんが、さつまいもは果物ではありません。

農林水産省では、果樹を「概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」としています。
ポイントは「2年以上育てる」「実を食べる」の2つです。

「木になるのが果物」と思われがちですが、実は木かどうかでは決まりません。
そのため、次のような面白い逆転も起きています。

  • いちご・メロン・すいか:1年で収穫する草なので、生産統計では「野菜(果実的野菜)」
  • 同じいちごでも家計調査では:「生鮮果物」に分類されます
  • さつまいも:食べているのは実ではなく根なので、甘くても果物にはなりません
いちごが野菜のときもあるなんて驚き!さつまいもは甘くても根っこだから、果物じゃないんだね。

さつまいもは何群?学校や献立での分け方

子どもの宿題や給食だよりでよく出てくるのが、「何群?」「何色?」という分け方です。
これも表によって答えが変わるので、どの表で聞かれているかを先に確かめましょう。

  • 6つの基礎食品:第5群(米・パン・めん・いも)=糖質性エネルギー源
  • 3色食品群:黄(エネルギーのもとになる食べもの)
  • 4つの食品群(四群点数法):第3群(野菜・果物と同じ)
  • 食事バランスガイド:副菜(ただし沖縄県版では主食扱い)

6つの基礎食品は、昭和56年の厚生省(現在の厚生労働省)の通知で示されたものです(通知では「六つの基礎食品」「第五類」という書き方です)。
第5群は「米、パン、めん、いも」で、「いも類は、糖質のほかに、ビタミンB1、ビタミンCなども比較的多く含まれる」と説明されています。

3色食品群は、学校や保育園の食育でおなじみの赤・黄・緑の分け方です。
いも類はごはんやパンと同じ「黄」に入ります。
ただし全国共通のきまりではなく、教材によって細かい分け方が違うこともあります。

4つの食品群(四群点数法)は、女子栄養大学が考案した分け方で、高校の家庭科などで使われることがあります。
こちらでは、いもは「野菜(きのこ・海藻を含む)、芋、果物」の第3群に入ります(女子栄養大学)。
6つの基礎食品ではごはんと同じ群、4つの食品群では野菜と同じ群と、表によって入れ替わるのがややこしいところです。

食事バランスガイド(厚生労働省・農林水産省)では、いも類は「副菜」です。
一方で、さつまいもを主食として食べてきた沖縄県版では「主食」として扱われています。
地域の食文化で分け方が変わるのは面白いですよね。

なお、副菜は「野菜・いも・豆・きのこ・海藻などのおかず」のグループです。
ただ、副菜の中でも「野菜1日350g」に数えるのは野菜だけなので、さつまいもだけで副菜を済ませず、野菜のおかずも組み合わせるのがおすすめです。

子どもに聞かれたときの答え方

宿題プリントに書くなら、授業で使っている表の答えに合わせるのがいちばん確実です。
まずプリントの表がいくつのグループに分かれているか(3つ・4つ・6つ)を確かめて、3色なら「黄」、6つの基礎食品なら「第5群」、4つの食品群なら「第3群」と答えましょう。
小学校では3つのグループ、中学校では6つの食品群で習うことが多いですが、教科書によって違うこともあります。

「さつまいもって野菜なの?」と聞かれたら、「八百屋さんやスーパーでは野菜の仲間。でも栄養では、ごはんと同じ元気のもとになる仲間なんだよ。食べているのは根っこ!」と答えると、低学年の子にも伝わりやすいですよ。

クイズ形式で楽しめるさつまいもの雑学は、こちらにまとめています。

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植物としては?さつまいもは「根」、じゃがいもは「茎」

さつまいも

同じ「いも」でも、植物として見ると実はまったく別物です。
農林水産省の食育教材では、次のように説明されています。

ジャガイモはナス科の植物で、茎が太ってできたものだ。一方、サツマイモはヒルガオ科の植物で、根が太ってできたものなんだ。

引用元:農林水産省 にっぽん食育推進事業 教材「ジャガイモとサツマイモのちがいってなんだろう?」

文部科学省の日本食品標準成分表でも、食品名にその違いが表れています。

  • さつまいも:塊根(かいこん)=根が太ったもの
  • じゃがいも:塊茎(かいけい)=地下の茎が太ったもの
  • さといも:球茎(きゅうけい)=茎の根元が丸く太ったもの

さつまいもは朝顔と同じヒルガオ科の植物です。
「さつまいもは根っこ、じゃがいもは茎」は、芋掘り遠足で掘ったさつまいもを見ながら「根っこはどれ?」と話すのにもぴったりですよ。

さつまいもの栄養は?いも類の中での特徴

最後に、いも類の中でさつまいもにどんな特徴があるのか、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の数値で見てみましょう。
いずれも可食部100gあたりの値です。

食品(状態) ビタミンC カリウム
さつまいも(皮なし・生) 29mg 480mg
さつまいも(皮なし・蒸し) 29mg 480mg
さつまいも(皮なし・焼き) 13mg 500mg
さつまいも(皮つき・生) 25mg 380mg
じゃがいも(皮なし・生) 28mg 410mg
さといも(生) 6mg 640mg

ビタミンCは、生のさつまいもとじゃがいもでほぼ同じくらいです。
さといもと比べると、どちらもかなり多いことがわかりますね。

「さつまいものビタミンCは加熱に強い」と言われることがありますが、成分表の数値は調理法で違いが出ています。
蒸しは生と同じ29mg、焼きは13mgと、焼き芋では半分以下になっています。
ビタミンCを意識するなら、蒸したりふかしたりする食べ方もおすすめです。

カリウムは、体の調子を整えるミネラルのひとつです。
さつまいも(皮なし・生)は480mgですが、いも類の中ではさといものほうが多くなっています。

食物繊維を含むので、胃腸が弱っているときは負担になることもあります。
体調が気になるときの食べ方は、こちらの記事を参考にしてください。

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旬・選び方・保存のミニ知識

さつまいもは秋に収穫され、しばらく貯蔵して甘みが増したものが冬にかけて出回ります。
旬や食べ頃の詳しい時期は、こちらでまとめています。

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選ぶときは、皮の色が鮮やかでハリがあり、ずっしり重いものが目安です。

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さつまいもは寒さが苦手なので、冷蔵庫(野菜室も)には入れず、新聞紙に包んで直射日光の当たらない室内の涼しい場所に置くのが基本です。
芋掘りでたくさん持ち帰ったときの保存方法は、こちらを参考にしてください。

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まとめ

さつまいもは野菜なのか、穀物なのか、果物なのか。
答えは「見る立場で変わる」でした。

  • スーパー・家計簿:野菜(根菜)
  • 栄養・献立:いも類(野菜の350gには入らない)
  • 学校の分け方:3色なら黄、6つの基礎食品なら第5群、4つの食品群なら第3群
  • 植物として:ヒルガオ科の根が太ったもの(じゃがいもは茎)
  • 穀物・果物か:どちらでもない

迷ったら、「買うときは野菜、栄養では『いも類』。ごはんと同じ元気のもとだけど、野菜の代わりにはならない」と覚えておけば、日常では困りません。
子どもに聞かれたら「スーパーでは野菜の仲間。でも栄養ではごはんと同じ元気のもと。食べているのは根っこだよ」と教えてあげてくださいね。

※この記事は文部科学省「日本食品標準成分表」、農林水産省・総務省・厚生労働省の公表資料等の公的情報をもとに、一般的な食生活の参考としてまとめたものです。医療・栄養指導を目的としたものではありません。食事制限を受けている方、妊娠中・授乳中の方、乳幼児の食事については医師や管理栄養士にご相談ください。

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