秋の味覚の代表といえばさんま。
脂がのった塩焼きはもちろん、煮付けや刺身でも人気の魚ですが、実は保存がとても難しいのをご存じでしょうか。
さんまは「鮮度が命」といわれる魚で、買ったそのままにしておくとすぐに味も栄養も落ちてしまいます。
だからこそ、冷蔵・冷凍の正しい保存方法を知ることが、美味しく味わうための第一歩になります。
この記事では、さんまの保存方法とコツをわかりやすく解説します。
さんま冷蔵保存のコツ
さんまを買ったら「2日以内に食べる」予定であれば冷蔵保存で十分です。
冷蔵でもしっかり処理をしないと、すぐに臭みが強くなってしまいます。
冷蔵保存の手順はとてもシンプルです。
まずキッチンペーパーで表面の水分を丁寧に拭き取ります。
水分が残っていると雑菌が繁殖しやすく、保存中に独特の生臭さが出てしまうからです。
その後、1尾ずつラップでぴっちりと包み、さらに密閉容器に入れてチルド室で保存します。
こうすると酸化が進みにくく、他の食品ににおいが移るのも防げます。
反対に、パックのまま冷蔵庫に入れておいたものは翌日には目が濁り、焼いても香りが弱くなってしまったことも…
冷蔵保存は短期間なら十分効果的ですが、必ず「翌日までに食べ切る」と意識することが大切です。
さんま冷凍保存のコツ
数日以内に食べないときは、冷凍保存に切り替えましょう。
正しく下処理をしてから冷凍すれば、1〜2か月は美味しさを保てます。
ポイントは、冷凍する前に頭と内臓を取り除いて水分をしっかり拭き取ることです。
内臓は劣化が早く、冷凍中に臭みの原因になります。
処理が済んだら1尾ずつラップで包み、保存袋に入れて空気を抜いて冷凍庫へ。
酸化を防ぐために「空気に触れさせない」ことが何より重要です。
この方法で保存したさんまを2か月後に塩焼きにしてみると、皮はパリッと香ばしく、脂がじゅわっと溶け出しました。
まるで買ったばかりのような旨味が残っていたよ!
逆に、下処理せずに冷凍したものは同じ期間で解凍後に臭みが出ていました。
冷凍保存は「手間をかけるほど美味しさが守れる」と実感できる保存法です。
さんまは「そのまま冷凍」できる?
忙しいときは「そのまま冷凍してしまいたい」と思う人も多いはずです。
結論として、さんまを丸ごと冷凍すること自体は可能です。
ただし、美味しさを重視するなら下処理をしてから冷凍するのがおすすめです。
そのまま冷凍するメリットは、手間がかからず、買ってきたらすぐに冷凍庫に入れられる点です。
忙しい平日やまとめ買いをした直後にはとても便利です。
しかしデメリットも多く、内臓から劣化が始まるため臭みが出やすく、保存できるのはせいぜい1か月程度です。
実際に丸ごと冷凍したさんまを解凍して焼いたとき、身の味はそこそこでも内臓部分に強い苦味と臭みが出ていました。
つまり「手間をかけられないときの応急処置」としては有効ですが、旬を越えて楽しみたいときや大切な食事の場では、下処理をしてから冷凍するのが安心です。
解凍の正しい方法!常温はNG
冷凍保存をしたさんまは、解凍の仕方によっても味が大きく変わります。
最もおすすめなのは冷蔵庫での自然解凍です。
冷凍庫から冷蔵庫に移し、半日から1日かけてじっくり解凍すると、ドリップが出にくく旨味をしっかり閉じ込められます。
急ぎのときは、袋に入れたまま流水で解凍するのも効果的です。
この場合は完全に解凍せず、半解凍のまま調理するのがポイント。
焼き魚や煮付けにしても美味しく仕上がります。
避けるべきは常温での解凍です。
室温で放置すると菌が繁殖しやすく、ドリップも大量に出てしまいます。
味だけでなく安全面でもリスクがあるので、絶対に避けましょう。
さんま保存方法の比較表
保存方法 | 保存期間の目安 | 下処理の有無 | 保存のポイント | 解凍・使用のコツ |
---|---|---|---|---|
冷蔵保存 | 2日以内 | 下処理なしでもOK。水分を拭く | 1尾ずつラップ+密閉容器。チルド室で保存 | 翌日までに調理 |
冷凍保存(下処理あり) | 1〜2か月 | 頭・内臓を除去、水分を拭く | ラップで包み保存袋で空気を抜く | 冷蔵庫で自然解凍 or 流水解凍 |
冷凍保存(そのまま) | 1か月以内 | 下処理なしでも可能 | 丸ごとラップ→保存袋。臭みが出やすい | 解凍後すぐ調理。煮付けや塩焼き向き |
さんまの保村方法を一目でわかりやすい比較表にしました。
この表を見れば、自分の状況に合わせてどの保存方法を選ぶべきかすぐに判断できますよ。
保存したさんまを美味しく食べる工夫
冷蔵や冷凍で保存したさんまは、調理のひと工夫でさらに美味しくなります。
冷凍後は塩焼きだけでなく、煮付けや蒲焼きにすると旨味が際立ちます。
焼く前に軽く塩を振って10分ほど置くと、水分と臭みが抜けて香ばしさが増します。
もし冷凍焼けしてしまった部分があっても、竜田揚げのように下味をつけて揚げれば美味しく食べ切ることができます。
さんまの保存方法まとめ
さんまは鮮度が落ちやすい魚ですが、保存方法を工夫すれば旬の味を長く楽しめます。
冷蔵なら2日以内、冷凍なら下処理をして1〜2か月「そのまま冷凍」は1か月以内が目安です。
結局のところ、美味しさを守る秘訣は「手間を惜しまないこと」。
忙しいときはそのまま冷凍でも構いませんが、大切に味わいたいなら下処理をしてから保存するのが最良の方法です。
▼こちらの記事もどうぞ▼
秋刀魚(さんま)といわしの違いは?味は似てるのか徹底比較