2026年7〜9月にテレビアニメ全12話が放送された「天幕のジャードゥーガル」。

アニメを見て「これって実話なの?」「モデルは誰?」「史実ではこの先どうなるの?」と気になった人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、天幕のジャードゥーガルの元ネタは13世紀のモンゴル帝国に実在した女性「ファーティマ・ハトゥン」です。

彼女のことは、13世紀の歴史家ジュヴァイニーが書いた『世界征服者の歴史(世界征服者史)』などの史料に記録されています。

この記事では、2026年10月16日時点の情報で次のことをまとめました。

  • 元ネタのモデルは誰か:実在のファーティマ・ハトゥンと、史料に残る人物
  • 実在の人物と物語で描かれた人物の見分け方:どこまでが史実で、どこからが創作か
  • 史実のファーティマ・ハトゥンのその後:歴史書に残る流れを年表で
  • 物語序盤のネタバレあらすじ:アニメ第3幕でシタラが「ファーティマ」と名乗る場面まで
  • アニメの放送・配信・Blu-ray情報と原作の読み方:既刊6巻・連載中

ネタバレの範囲も先にお伝えしておきますね。

史実の結末(ファーティマ・ハトゥンの最期)に触れるのは、見出し「史実のファーティマ・ハトゥンはどうなった?」の章だけです。

作品のあらすじは、見出し「天幕のジャードゥーガルのネタバレあらすじ」の章で、物語の序盤(アニメ第3幕「消しえぬ炎」でシタラが「ファーティマ」と名乗る場面)までにとどめます。

結末を知りたくない人は、この2つの見出しを飛ばして「アニメ「天幕のジャードゥーガル」の放送・配信まとめ」へ進んでくださいね。

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天幕のジャードゥーガルの元ネタは何?実在のモデルは誰?

天幕のジャードゥーガルは、秋田書店のWebマンガサイト「Souffle(スーフル)」で2021年9月から連載されている、トマトスープさんの漫画です。

舞台は13世紀のモンゴル帝国。

主人公の少女が、知識を武器にして帝国の中枢へ近づいていく物語です。

可愛らしい絵柄とは裏腹に、実在した人物と史料に残る出来事を下敷きにした歴史フィクションなんですよね。

ここではまず「モデルは誰か」に答えてから、作品に登場する実在の人物を紹介します。

元ネタは実在した女性「ファーティマ・ハトゥン」

天幕のジャードゥーガルの元ネタは、13世紀のモンゴル帝国に実在した女性「ファーティマ・ハトゥン」です。

ファーティマ・ハトゥンはトゥース(現在のイラン・マシュハド近郊)の出身とされています。

モンゴル軍がホラーサーン地方に攻め込んだとき、捕虜となって帝国の都カラコルムへ連れてこられました。

その後、第2代皇帝オゴデイ(作中の表記はオゴタイ)の妃ドレゲネに取り立てられ、側近として宮廷で大きな力を持つようになります。

彼女について書き残した主な史料は、次の2つです。

  • ジュヴァイニー『世界征服者の歴史(世界征服者史)』:13世紀の歴史家ジュヴァイニーによる歴史書
  • ラシードゥッディーン『集史』:14世紀初めにまとめられた歴史書で、ファーティマについての記述もあるとされる

どちらも書き手の立場や政治的な見方が入った記録なので、書かれた内容をそのまま「客観的な事実」と受け取るのは注意が必要です。

それでも、捕虜から宮廷の実力者になった女性が実在したことは、こうした史料からわかります。

ちなみにタイトルの「ジャードゥーガル」は、ペルシア語で「魔術師・魔女」という意味の言葉です。

タイトルの意味については、こちらの記事でくわしく解説しています(アニメ放送前に書いた記事なので、巻数などは最新の情報と違う場合があります)。

天幕のジャードゥーガルのタイトルの意味を解説した記事はこちら

ドレゲネやオゴタイも実在の人物

天幕のジャードゥーガルには、主人公以外にも実在の人物がたくさん登場します。

中でも物語のカギを握るのが、オゴタイの妃のひとり(第六妃)ドレゲネです。

史実のドレゲネも、モンゴル帝国の政治に深く関わった女性として歴史書に名前が残っています。

その息子のグユクも、史料に登場する実在の人物です。

アニメでドレゲネを演じたのは小清水亜美さん、オゴタイを演じたのは下野紘さんです。

「この人も本当にいたんだ」と知ってから見返すと、宮廷の場面の緊張感がぐっと増して感じられるはずですよ。

名前が出てきたら「実在の人かな?」と気にしながら見ると、歴史の勉強にもなって楽しいよ♪

実在の人物と物語で描かれた人物の見分け方

「どこまでが実話なの?」というのは、元ネタを調べる人がいちばん気になるところですよね。

ひとことで言うと、天幕のジャードゥーガルは「史実の骨組み+創作の肉付け」でできた作品です。

時代背景やモンゴル宮廷の主な人物は史料に残る実在のものですが、主人公の少女時代の暮らしや心の動きは物語として描かれた部分になります。

登場人物を「実在」と「物語で描かれる人物」に分けると、次のようになります。

天幕のジャードゥーガルの実在の人物と物語で描かれる人物の早見表

実在の人物は、ドレゲネ・オゴタイ・グユク・ソルコクタニ・トルイなど、モンゴル帝国の宮廷を動かした人たちです。

一方、「シタラ」という少女時代の名前や、シタラの主人である奥様ファーティマ、その息子ムハンマドは、主人公の前半生を描く物語の中の人物です。

この記事で確認した史料(ジュヴァイニーの記述)には、この3人の名前は出てきません。

ただしシタラ自身は、実在のファーティマ・ハトゥンをモデルにした主人公です。

主人公の「前半生」は創作で埋められている

史実のファーティマ・ハトゥンが捕虜になる前にどんな暮らしをしていたのかは、この記事で確認した史料にはほとんど書かれていません。

作品では、その空白を「奴隷の少女シタラが、恩人の名前ファーティマを名乗って生きていく」という物語で埋めています。

史料が語らない彼女の気持ちや動機を、フィクションで描き出しているところが見どころです。

作者もオリジナルの場面を入れている

史実に出てくる人物でも、作中のすべての場面が記録どおりというわけではありません。

作者のトマトスープさん自身も、アニメ第3幕で兄弟が一堂に集まる場面は、史実ではその場にいないはずの人物をあえて加えたアニメの場面だと発信しています(4Gamer、2026年7月23日掲載の記事より)。

「歴史に忠実な作品」と言い切るよりも、史実をもとにしながら物語として組み立てた作品として楽しむのがよさそうですね。

史実のファーティマ・ハトゥンはどうなった?

ここからは史実の結末に触れます。

作品の今後の展開を予想させたくない人は、次の見出し「天幕のジャードゥーガルのネタバレあらすじ」か「アニメ「天幕のジャードゥーガル」の放送・配信まとめ」へ進んでくださいね。

なお、作品がいま史実のどのあたりを描いているかは、この記事では触れません。

ここで紹介するのは、あくまで歴史書に残っている実在のファーティマ・ハトゥンの流れです。

捕虜から宮廷の実力者へ

史料をもとに、ファーティマ・ハトゥンの歩みを順番に並べると次のようになります。

史実のファーティマ・ハトゥンの歩みの流れ

1241年にオゴデイが亡くなると、ドレゲネが次の皇帝が決まるまで政治を取りしきりました。

このときファーティマはドレゲネの有力な助言者として、チンカイやマフムード・ヤラワチといった先代からの高官の失脚に関わったとされています。

捕虜として連れてこられた女性が、帝国の政治を左右するほどの立場になったわけです。

グユクの即位後、ファーティマはどうなった?

1246年、ドレゲネの子グユクが第3代皇帝に即位します。

するとグユクの弟コデン(クデン)が病に倒れたのは、ファーティマの呪いのせいだと訴えられました。

ファーティマは呪術の罪に問われ、厳しい取り調べの末に処刑されたと史料に記されています。

史料に記されているのは、呪術の告発と、厳しい取り調べのなかでの自白です。

ただし、その記述は呪術が本当に病気を起こしたという証拠ではありません。宮廷の権力争いが背景にあったとする見方もあります。

処刑の詳しい記録や、なぜ「呪術」の罪だったのかという時代背景は、こちらの記事にまとめています。

天幕のジャードゥーガルの意味は?モデルは処刑された?史実を解説

天幕のジャードゥーガルのネタバレあらすじ

ここからは、物語の始まりをネタバレありで紹介します。

範囲は物語の序盤(アニメ第3幕「消しえぬ炎」でシタラが「ファーティマ」と名乗る場面)までで、その先の展開には触れません。

まっさらな状態で楽しみたい人は、次の見出し「アニメ「天幕のジャードゥーガル」の放送・配信まとめ」へ進んでくださいね。

トゥースの屋敷で学ぶ奴隷の少女シタラ

舞台は13世紀、イラン東部の都市トゥース。

奴隷の売買が当たり前に行われていた時代です。

学者一家の心優しい奥方「ファーティマ」は、奴隷商人から笑顔の愛らしい少女「シタラ」を引き取ります。

シタラは奥様の家で学問を教わることになります。

ところがシタラは、はじめは勉強を嫌がります。

そんな彼女に、奥様の息子ムハンマドは、賢くなれば困ったときに何をすればいいか自分で考えられるようになる、と教えました。

この言葉をきっかけに、シタラは学ぶことに夢中になっていきます。

やがてムハンマドは学問を究めるために旅立ち、8年の月日が流れました。

モンゴル軍の襲来で何が起きた?

そしてムハンマドの旅立ちから8年後、トルイ率いるモンゴル軍がトゥースの街に攻め込みます。

奥様とシタラは、奥様が大切にしていた本を守ろうとしました。

しかし本はモンゴル兵に奪われ、奥様は命を落としてしまいます。

街は焼き払われ、シタラは捕虜としてモンゴル軍に連れていかれることになりました。

シタラはどうやって王族に近づいた?

捕虜となったシタラに声をかけたのが、モンゴル軍の通訳で、出世をねらう少年シラでした。

シラは、自分の立場を上げるために、シタラをモンゴルの王族トルイに引き合わせようとします。

王族に近づければ、奪われたあの本『原論』を取り返せるかもしれない。

シタラはトルイの前で、自らを「ファーティマ」と名乗りました。

奴隷だったころの「シタラ」ではなく、大切な恩人である奥様の名前を名乗ったのです。

可愛い絵柄からは想像できないほど、つらい始まり方をする物語ですよね。

実在のファーティマ・ハトゥンと同じ名前を、主人公が恩人の名前として名乗る、という脚色には、奥様への強い思いが感じられてぐっとくる人も多いはずです。

アニメ「天幕のジャードゥーガル」の放送・配信まとめ

テレビアニメ「天幕のジャードゥーガル」は、2026年7月4日(土)から9月12日(土)まで、全12話(第1幕〜第12幕)が放送されました。

最終回は第12幕「いつもと変わらない草原」です。

総監督は山田尚子さん、アニメーション制作はサイエンスSARU。

放送は終わっていますが、配信サービスで見返したり、これから見始めたりできます。

アニメ化決定時に公開された特報PVで、作品の雰囲気をのぞいてみてください。

なお、序盤から戦争で人が命を落とす場面や、奴隷の売り買いが描かれます。お子さんと一緒に見る場合は、先に大人が序盤の数話を見ておくと安心ですよ。

放送・配信の情報

放送と配信の情報を表にまとめました(2026年10月16日時点・アニメ公式サイトより)。

放送期間 2026年7月4日(土)〜9月12日(土)・全12話
放送枠 テレビ朝日系全国24局ネット「IMAnimation」枠。毎週土曜夜11時30分(初回は夜11時から2話連続)
そのほかの放送 BS朝日・AT-X・CSテレ朝チャンネル1・アニマックス
配信 ABEMA、DMM TV、dアニメストア、FOD、Hulu、Netflix、Prime Video、U-NEXT、TVer、ニコニコ、バンダイチャンネルほか
Blu-ray BOX 2027年2月3日(水)発売予定・39,600円(税込)・全12話・2枚組
第2期 発表なし(2026年10月16日時点)

公式サイトには配信先の一覧が載っていますが、見放題の表記があるのはTELASA・milplusなど一部だけで、ほとんどのサービスは見放題かレンタルか、いつまで見られるかまでは書かれていません。

見る前に、各サービスのページで確認してくださいね。

Blu-ray BOXには、原作者トマトスープさんの描き下ろし漫画などを収めた特製ブックレットが封入されると発表されています。

第2期については、2026年10月16日時点でアニメ公式サイトのニュースに発表はありません。

キャスト・主題歌

主なキャストと主題歌はこちらです。

シタラ 関根明良
ファーティマ(奥様) 桑島法子
ドレゲネ 小清水亜美
オゴタイ 下野紘
トルイ 鈴木崚汰
ソルコクタニ 久野美咲
ムハンマド 齋藤潤
オープニング SEKAI NO OWARI「Stella」
エンディング 女王蜂「星」

スタッフは、総監督・山田尚子さん、監督・Abel Gongoraさん、キャラクターデザイン・吉田健一さん、シリーズ構成・加藤還一さんです。

実在の人物の役と物語で描かれる人物の役が並んでいるので、前の章の早見表と見比べてみるのもおすすめですよ。

原作漫画「天幕のジャードゥーガル」はどこで読める?

アニメを見終えて「続きが気になる!」という人は、原作漫画で物語を追いかけられます。

原作は秋田書店のWebマンガサイト「Souffle(スーフル)」で連載中です。

単行本はボニータ・コミックスから既刊6巻が出ています(2026年10月16日時点)。

6巻は2026年7月15日発売で、価格は880円(税込)です。

7巻の発売日は、まだ公式に発表されていません。

なお、アニメが原作の何巻までを描いたかは、今回確認した公式情報では見つからなかったため、「続きは何巻から」はこの記事では書きません。

アニメから入った人は1巻から読むと、アニメでは描ききれなかった細かな場面まで味わえます。

アニメで物語の流れをつかんでいる人は、いちばん新しい6巻まで一気に追いかけるのもおすすめです。

歴史や文化、登場人物を解説する副読本『もっと!天幕のジャードゥーガル』(描き下ろし番外編も収録)も出ているので、本編とあわせてチェックしてみてくださいね。

電子書籍で読めるサイト

Souffleでは一部の話が公開されていることもありますが、公開範囲は時期によって変わります。

じっくり読みたい人は、電子書籍サイトを使うのが手軽です。

  • コミックシーモア
  • Kindle

このほかの電子書店でも取り扱いがある場合があります(取り扱い状況は変わることがあるので、購入前に各ストアで確認してください)。

新規登録の特典は、対象になる冊数や有効期限などの条件が決まっています。登録前にコミックシーモアの公式案内で条件を確認して、読みたい巻を決めてから登録するのがおすすめです。

電子書籍サイトごとの読み方の違いは、こちらの記事で紹介しています(2025年4月時点の情報なので、価格や巻数は各ストアで最新の情報を確かめてくださいね)。

天幕のジャードゥーガル原作を全巻お得に読む方法!初回クーポン&電子書籍3社比較

史実を知ってから原作を読むと、宮廷の人間関係がもっとおもしろく見えてくるよ♪

まとめ

天幕のジャードゥーガルの元ネタと、史実・アニメ・原作の情報をまとめました。

  • 元ネタ:13世紀のモンゴル帝国に実在したファーティマ・ハトゥン
  • 主な史料:ジュヴァイニー『世界征服者の歴史』など
  • 実在の人物:ドレゲネ、オゴタイ、グユク、ソルコクタニ、トルイなど
  • 物語で描かれる人物:シタラ(少女時代の名前)、奥様ファーティマ、ムハンマド
  • アニメ:2026年7〜9月に全12話を放送済み・第2期は未発表
  • 原作:Souffleで連載中・既刊6巻(7巻は未発表)

天幕のジャードゥーガルは、史実の骨組みに、史料が語らない主人公の心を物語として肉付けした作品です。

このマンガがすごい!2023オンナ編第1位、マンガ大賞2023・2024の2年連続ランクイン、第55回日本漫画家協会賞コミック部門大賞と、たくさんの賞にも選ばれてきました。

歴史を知ったうえでアニメを見返したり、原作で続きを追いかけたりすると、また違った味わいを感じられるはずです。

物語のファーティマがこの先どんな道を歩むのか、これからの展開も楽しみですね。

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