友達や家族と手持ち花火を楽しんでいるとき、線香花火だけあっという間に落ちてしまってがっかりした経験はありませんか。
実は線香花火には、燃焼時間を延ばすための「コツ」がちゃんとあります。
ほんの少し持ち方や火のつけ方を変えるだけで、いつもより長く火花の変化を楽しめることが分かっています。
この記事では、線香花火を長持ちさせる基本のコツから、東日本と西日本で違う持ち方、安全に楽しむための注意点までまとめて解説します。
今年の夏こそ子供と一緒にゆっくり線香花火を楽しみたい、という方はぜひ最後まで読んでくださいね。
線香花火が長持ちしない原因と基本の3つのコツ
線香花火がすぐに落ちてしまう原因としては、火薬を包む和紙のこよりが時間の経過とともに少しゆるんでしまうこと、地面に垂直に近い角度で持ってしまうこと、持っている手が揺れてしまうことなどが挙げられます。
これらを見直すだけで、燃焼時間を延ばすことができます。
「ひねり」「持つ角度」「手を動かさないこと」の3つが、長持ちのカギを握っています。
それぞれのやり方を、順番に見ていきましょう。
着火前の「ひねり」で強度をアップ(紙タイプの場合)
火薬が包まれてふくらんでいる部分の少し上、くびれた部分を指で軽くひねっておきましょう。
この一手間で和紙のこよりの巻きが締め直され、火が一気に回ってしまうのを防げます。
報道の検証実験では、この「ひねり」に加えて花火の先端だけに火をつける・斜め45度に傾けるという工夫も組み合わせると、通常より燃焼時間が平均10秒前後延びたという結果が紹介されています。
このひねりは、和紙で火薬を包んだ「長手牡丹」タイプに効くコツです。
わらを使った「スボ手牡丹」タイプにはひねる和紙の部分がないため、この工程は不要です。
持つ角度は「斜め45度」が基本
火をつけたら、地面に対して垂直ではなく斜め45度くらいに傾けて持ちましょう。
花火の軸と火の玉の接触面がほどよく保たれるため、火の玉が支えられて落ちにくくなります。
火薬側を上に向けるか下に向けるかはタイプによって変わるので、詳しくは次の章の表で確認してくださいね。
火をつけるのは「ろうそく」がベスト
ライターで直接あぶろうとすると、火薬より先に和紙が燃えてしまうことがあります。
置いたろうそくに花火の先端をそっと近づけて着火すると、炎が安定して片手も自由に使えます。
公益社団法人日本煙火協会も、花火は一本ずつろうそくや線香で火をつけるよう呼びかけています。
火をつけたら手を動かさない
おしゃべりや笑いで手がゆらゆら動くと、それだけで火の玉が落ちてしまうことがあります。
火をつけたあとはできるだけ手を静かに固定し、風上に立って火の玉をじっと見守りましょう。
あなたの線香花火はどっち?東日本「長手牡丹」と西日本「スボ手牡丹」
実は線香花火には大きく分けて2つのタイプがあり、正しい持ち方もタイプによって変わります。
自分の持っている線香花火がどちらのタイプか知らずに、逆向きに持ってしまっている方も少なくありません。
まずは見た目と持ち方の違いを、表で確認していきましょう。
| 長手牡丹(東日本タイプ) | スボ手牡丹(西日本タイプ) | |
|---|---|---|
| 素材 | 和紙で火薬を包んだもの | わらの先端に火薬を付けたもの |
| 持ち方 | 火薬側を下にして斜め45度 | 火薬側を上にして斜め上 |
| 向いている環境 | 風のない場所 | ある程度風がある場所 |
東日本で広まっている「長手牡丹」は、江戸時代の関東で紙すきが盛んだったことから紙製になったといわれています。
一方、西日本の「スボ手牡丹」はわらを使った作り方で、江戸時代から300年ほど形がほとんど変わっていないといわれています。
長手牡丹は現在全国的に広く流通していますが、スボ手牡丹は生産が限られた希少なタイプで、通販や一部の専門店で扱われることが多いです。住んでいる地域ではなく、手元の花火がどちらのタイプかを素材で確認してから、表の持ち方を試してみてくださいね。
火をつける場所を間違えると危険!正しい点火位置
線香花火の点火位置を間違えると、うまく燃え上がらなかったり、思わぬ燃え方をして危険なことがあります。
正しい点火位置さえ知っておけば、安全に長く楽しむことができます。
線香花火の先端には、火薬が入ってふくらんでいる部分と、和紙だけの「ピロピロ」した部分があります。
- 火をつける場所:ふくらんでいる火薬側に、先端だけをかすらせるように点火する
- 避けるべき場所:ピロピロした和紙だけの部分には火をつけない
- 理由:火薬のない部分に火をつけると、うまく点火できなかったり、思わぬ燃え方をして危険な場合がある
点火位置さえ守れば、線香花火を安全に長く楽しめますよ。
線香花火の4段階の変化を楽しむ「牡丹→松葉→柳→散り菊」
線香花火は火をつけてから消えるまでの短い時間に、火花の表情が4段階に変化していきます。
この変化を知っておくと、線香花火をより深く楽しめます。
昔から人の一生になぞらえて語られてきた、日本ならではの楽しみ方でもあります。
夏休みの自由研究として、この4段階を1回ごとに紙へ記録してみるのもおすすめです。
「今日は柳の時間が長かった」など、天候や持ち方による違いを比べてみると、立派な観察記録になりますよ。
こちらの動画もわかりやすいので参考にしてみてくださいね。
花火の種類について解説した、花火メーカー「鈴木花火」公式チャンネルの自由研究向け動画です。
安全に楽しむための注意点(日本煙火協会・国民生活センターより)
線香花火はおもちゃ花火のひとつですが、火を扱う以上油断は禁物です。
国民生活センターには、3歳以下の子どもが花火でやけどを負った事故情報が多く報告されています。
国民生活センターは、3歳以下の子どもには花火を持たせず、少し離れた場所から見せるようにと呼びかけています。
着衣に火が燃え移った事例も報告されているため、正しい距離感と服装を意識することが大切です。
- 火をつける本数:花火は一本ずつ、ろうそくや線香で点火する
- 距離:火をつけたあとはなるべく体から離して持つ
- 服装:肌の露出が多い服や燃えやすい素材は避ける
- 環境:風の強い日は花火遊びを控える
- 足元:火球や燃えカスが足元付近へ落ちることがあるため、裸足やサンダルを避け、枯れ草やウッドデッキなど燃えやすいものの上では行わない
- 消火:遊び終わったらバケツの水に入れて完全に消す
- 保管:花火をポケットに入れたり、ほぐして遊んだりしない
公益社団法人日本煙火協会も、これらの注意点を守って大人と一緒に楽しむよう呼びかけています。
小さなお子さんと遊ぶときは目を離さず、必ず大人がそばで見守るようにしましょう。
線香花火の選び方と使用期限・処分方法
線香花火を買うときは、国産か輸入品かで燃え方の印象が変わることも知っておくと選びやすくなります。
国産の線香花火には、職人による手作りで4段階の変化をゆっくり丁寧に楽しめるとされる商品もあります。
保管や処分の仕方も、長く安全に楽しむためには欠かせないポイントです。
湿気を吸うと火薬の状態が変わり、本来の燃焼時間が発揮されにくくなることがあるため、直射日光や湿気を避けて保管しましょう。明確な使用期限の表示はありませんが、適切に保管していても湿気や年数の経過で状態が変わることがあるため、変色や湿り気がないか使用前に確認すると安心です。
遊び終わった花火も未使用のまま処分したい花火も、バケツの水にしっかり浸けて完全に消火・湿潤させてから処分しましょう。浸ける時間の目安はメーカーや自治体によって異なるため、分別方法(可燃ごみ・不燃ごみ)とあわせて、お住まいの地域のルールを事前に確認しておきましょう。
よくある質問
ここまでの内容と合わせて、線香花火についてよく聞かれる疑問にもお答えします。
線香花火はどのくらいの時間もちますか?
計測方法によって差はありますが、30秒前後で燃え尽きるという報告が多く、ひねり・点火位置・角度のコツを組み合わせることで10秒前後長く楽しめたという実験結果もあります。
製品や気温・湿度によっても差があるため、あくまで目安として考えてくださいね。
マンションのベランダで遊んでも大丈夫ですか?
集合住宅では管理規約で花火が禁止されている場合があるため、事前に確認しておきましょう。
火の粉や煙が近隣に届くこともあるので、規約がない場合も周囲への配慮を忘れないようにしたいですね。
まとめ
線香花火は「ひねり」「持つ角度」「手を動かさないこと」を意識するだけで、燃焼時間を延ばすことができます。
長手牡丹(紙タイプ)とスボ手牡丹(わらタイプ)では正しい持ち方が逆になるので、地域名にとらわれず、手元の花火の素材を確認してから持ちましょう。
牡丹・松葉・柳・散り菊という4段階の変化を親子で観察すれば、夏休みの思い出にも自由研究にもなります。
安全のポイントを押さえながら、今年の夏はいつもよりちょっと長く、線香花火の時間を楽しんでみてくださいね。
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