子供の夏バテ対策|食欲ない日でも食べる簡単ごはんと熱中症との違い
暑さが本格的になってくると、「最近うちの子、なんだか元気がないな」「ごはんを残すことが増えたな」と気になってくる時期ですよね。
夏バテで食欲が落ちている子どもを前にすると、「ちゃんと食べさせなきゃ」と、つい自分を追い込んでしまうママも多いのではないでしょうか。
でも、暑い日にしっかりした献立を毎回用意するのは、正直かなり大変です。
この記事では、子どもの夏バテのサインの見分け方から、まぎらわしい「熱中症」との違い、そして品数を増やさなくても大丈夫な簡単ごはんの工夫まで、忙しい毎日でも実践しやすい形でまとめました。
「これって夏バテ?それとも熱中症?」と迷っている方、「手の込んだ料理が作れなくて罪悪感がある」という方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
子供の夏バテ、こんなサインが出ていませんか?
子どもは「なんとなくだるい」「食欲がない」といった不調を、自分の言葉ではうまく説明できないことがほとんどです。
そのため、夏バテのサインは大人が生活の様子から気づいてあげることが大切になります。
まずは、ご家庭で見られやすい代表的なサインを確認してみましょう。
次のような様子が続いていないか、チェックしてみてくださいね。
- 食欲がない・好きだったものも残す…冷たいものやのどごしのよいものばかり欲しがる場合も含みます
- 元気がなく、ぐったりしている…遊びに誘っても乗ってこない、すぐ「疲れた」と言う
- おなかの調子が悪い…下痢や便秘、なんとなく気持ち悪そうにしている
- 寝つきが悪い・寝ても疲れが取れない様子…夜中に何度も起きる、朝すっきり起きられない
- 機嫌が悪くイライラしやすい…理由なくぐずる、甘えが強くなる
これらはあくまで一般的に見られやすい様子で、当てはまるものがあっても必ず夏バテとは限りません。下痢や寝つきの悪さなどは、感染症や胃腸の不調、睡眠不足でも起こることがあります。
ただ、「いつものその子」との違いに早めに気づいてあげることが、こじらせないための第一歩になります。
気になるサインが続くときは、次にお話しする「熱中症との違い」も合わせて見てあげてくださいね。
「夏バテ」と「熱中症」はどう違う?見分け方
夏の体調不良でいちばん迷いやすいのが、「これは夏バテなのか、熱中症なのか」という点だと思います。
ざっくり言うと、夏バテは暑さが続くことで少しずつ起こる慢性的な体調不良、熱中症は体の熱がうまく逃がせなくなって起こる状態です。熱中症は急に強い症状が出ることもあれば、めまいや大量の汗、元気のなさといった軽い症状から始まることもあります。
特に熱中症は、対応が遅れると危険な状態につながることもあるため、まずは違いを整理しておきましょう。
下の表で、それぞれの特徴を見比べてみてくださいね。
| 夏バテ | 熱中症 | |
|---|---|---|
| 起こり方 | 暑さが続くなかで、少しずつ現れることが多いとされる | 暑い環境で起こり、急に強い症状が出ることも、軽い症状から始まることもある |
| 主な様子 | 食欲不振・だるさ・疲れやすさ・寝不足など | 大量の汗・高い体温・強い頭痛・吐き気・めまいなど(重症では汗が出なくなることも) |
| 緊急性 | 比較的ゆるやか(生活と食事の見直しで整えていく) | 高いことがある(意識がもうろう・けいれん・呼びかけへの反応が悪いなどは危険なサイン) |
| 基本の対応 | 休養・水分補給・食事・室温管理で体を整える | すぐに涼しい場所へ移し、体を冷やして水分を。様子がおかしければ医療機関へ |
ポイントは、熱中症は急な発症とは限らず、軽い症状から始まることもあるという点です。
子どもが炎天下や暑い室内でぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い、体が熱いのに汗が引いている、けいれんしている、といった様子があるときは、夏バテかなと様子を見るのではなく、まず涼しい場所へ移してあげてください。
そのうえで、衣服をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根を保冷剤や冷たいタオルで冷やし、意識がはっきりしていれば少しずつ水分をとらせます。
反応が悪い・水分がとれない・けいれんがあるといった場合は、口から無理に飲ませず、迷わずすぐに救急車を呼んでくださいね(119番通報)。
子供が夏バテしやすい理由
「大人は平気なのに、どうして子どもばかり夏バテするの?」と感じたことはありませんか。
これは気合いや体力の問題ではなく、子どもの体そのものの特徴が関係していると言われています。
理由がわかると、対策のポイントも見えてきますので、簡単に整理しておきましょう。
子どもが夏バテしやすい背景には、主に次のような要素があるとされています。
- 体温調節の機能が発達の途中…大人に比べて熱を逃がすのが上手ではなく、暑さの影響を受けやすいとされています
- 自律神経が乱れやすい…暑さや冷房で体に負担がかかると、体調を整える働きが追いつきにくくなります
- 室内外の寒暖差が大きい…冷房のきいた室内と暑い屋外の行き来がくり返されると、体がついていきにくくなります
つまり、子どもの夏バテは「なまけ」ではなく、体の仕組みの上で起こりやすいものだということです。
だからこそ、大人が環境と食事の面でサポートしてあげることが、とても意味のある対策になります。
次の章では、食事で意識したい栄養素を見ていきましょう。
食事で意識したい栄養素
食欲が落ちているときこそ、「何をどれだけ食べさせるか」より「どんな栄養を少しでも取り入れるか」に目を向けると気持ちが楽になります。
夏の食事で意識したいのは、体づくりのもとになるたんぱく質、エネルギーを使うときに関わるビタミンB1、そして汗で失われやすい水分とミネラルです。
難しく考えず、身近な食材で少しずつ取り入れていきましょう。
具体的には、次のような食材がとり入れやすいとされています。
- たんぱく質…鶏肉・豚肉・卵・豆腐・納豆など。体づくりのもとになる栄養素で、冷奴や卵料理なら火を使う時間も短めです
- ビタミンB1…豚肉や大豆製品などに多く含まれるとされ、糖質をエネルギーに変えるときに関わる栄養素です
- 水分とミネラル…スイカ・トマト・きゅうりなどの夏野菜は水分やカリウムの補給になります。汗を多くかいたときの塩分補給には梅干しなどが役立ちますが、塩分が多いので量を考えて少しずつ取り入れましょう
これらは「食べれば夏バテが治る」というものではなく、あくまでふだんの食事に無理なく取り入れたい栄養素としてとらえてくださいね。
栄養素の詳しい含有量は、文部科学省の「日本食品標準成分表」でも確認できます。
全部そろえようとせず、「今日はたんぱく質を少し」「明日は夏野菜を一品」くらいの気持ちで十分です。
品数を増やさなくてOK!忙しい日でも作れる簡単ごはん
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
夏バテで食欲のない子に、栄養も彩りも完璧な献立を毎日用意する必要はありません。
「切るだけ」「和えるだけ」「レンジで完結」の組み合わせで、罪悪感なく乗り切っていきましょう。
まず、いちばん手軽なのが、そうめんやうどんにちょい足しする方法です。
ゆでて冷やした麺に、レンジで温めた冷凍のほぐし鶏やサラダチキン、納豆をのせるだけで、たんぱく質がぐっと足せます。
卵をのせる場合は、小さいお子さんはしっかり火を通した炒り卵や卵焼きにするなど、加熱を意識すると安心です。
薬味のねぎやすりごま、刻んだトマトを添えれば、それだけで一皿として成立します。
次に、火を使いたくない日は「切るだけ・和えるだけ」の副菜が頼りになります。
冷奴に納豆やしらす、刻んだきゅうりをのせるだけ、トマトをひと口大に切ってツナと和えるだけでも、立派なおかずです。
すりおろした長いもをかけたり、めかぶやもずくを添えたりすると、のどごしがよく食べやすくなります。
ただ、冷たいものばかりが続くとおなかが冷えてしまうこともあるので、おなかの調子がいまひとつな日は温かい一品もはさんであげてくださいね。
耐熱容器に豚こま肉と薄切り野菜を入れてレンジで加熱し、ポン酢をかけるだけの蒸し料理なら、温かいのに手間がかかりません。
ごはんが進まない日は、卵とごはんを耐熱容器に入れてレンジでしっかり加熱し、よく混ぜて火を通した卵かけごはん風にすると、少量でも口に入りやすくなります。しらすや梅干しを混ぜたおにぎりにするのもよいですが、どちらも塩分を含むため、組み合わせるときは量を控えめにしてくださいね。
甘いものなら欲しがる、という日は、バナナや冷凍フルーツと牛乳・ヨーグルトをまぜたスムージーもおすすめです。
飲み物感覚で、水分と栄養を一緒にとれるのがうれしいところですね。
大切なのは、「一品でも食べられたらOK」と考えることです。
品数や見た目より、「食べられそうなものを、食べられる分だけ」を合言葉にすると、作るほうの気持ちもずいぶん軽くなりますよ。
食事以外に気をつけたいこと
夏バテ対策は、食事だけでなく生活環境を整えることもセットで考えると、体が休まりやすくなります。
特に子どもは自分で体調管理をするのが難しいので、まわりの大人が「暑すぎない・冷えすぎない・眠れる」環境をつくってあげることが大切です。
むずかしいことではなく、日々のちょっとした心がけで整えられます。
次のポイントを、無理のない範囲で意識してみてくださいね。
- こまめな水分補給…のどが渇く前に少しずつ。ふだんは麦茶や水で十分です。経口補水液は脱水症状があるときのための飲み物なので、必要かどうか迷ったら医師や薬剤師に相談しましょう
- 室温の管理…環境省は室温28度を一つの目安としつつ、外気温や湿度、体調に応じて調整するよう案内しています。冷房の設定温度と実際の室温はズレることがあるので、温度計で室温を確認しながら調整しましょう
- 十分な睡眠…寝苦しい夜は寝具や服装を涼しく整え、早めに休めるリズムを意識します
特に、日中にエアコンを切るご家庭では、室内でも思った以上に気温が上がることがあります。
すだれや遮光カーテンで直射日光を防いだり、扇風機を併用したりして、「涼しい逃げ場」を家の中につくっておくと安心ですよ。
こんな症状が続くときは
ここまで夏バテのケアについてお話ししてきましたが、家庭でのケアだけで判断しないほうがよい場合もあります。
体調の変化には個人差があり、夏バテだと思っていたものが別の不調ということもあるため、無理に自己判断しないことが大切です。
次のような様子があるときは、早めに医療機関に相談することを考えてみてくださいね。
特に、ぐったりして呼びかけへの反応が悪い、水分がとれない、けいれんがある、といった場合は、様子を見ずにすぐ救急車を呼んでください(119番通報)。おしっこが極端に少ない、高い熱が続くといった様子があるときも、早めに医療機関に相談してください。
また、食欲不振や元気のなさが数日たっても続く、下痢や嘔吐がくり返される、といったときも、「まだ大丈夫」と我慢させずに相談するほうが安心です。
受診の必要があるかどうか迷ったときは、地域の相談窓口や、かかりつけの小児科に電話で確認する方法もあります。
子どもの体調は変化が早いので、「気になったら早めに」を基本にしてくださいね。
まとめ
子どもは体温調節の機能が発達の途中にあるため、大人よりも暑さの影響を受けやすいとされています。夏バテも、決して気合いや気持ちの問題ではありません。
まずは「食欲がない・元気がない・眠れない」といったサインに気づき、暑い環境での体調変化がないか、熱中症とは分けて見てあげることが大切です。
食事は、たんぱく質・ビタミンB1・水分とミネラルを、身近な食材で少しずつ取り入れれば十分です。
そして何より、品数を増やさなくても、一品食べられたらそれで花丸だということを、忘れないでいてくださいね。
切るだけ・和えるだけ・レンジで完結の工夫で、あなた自身も無理をせず、親子で夏を乗り切っていきましょう。
※この記事は文部科学省「日本食品標準成分表」、環境省・厚生労働省の熱中症関連情報、国立成育医療研究センターの資料等の公的情報をもとに、一般的な生活の参考としてまとめたものです。医療・栄養指導を目的としたものではありません。乳幼児、食物アレルギーや持病・食事制限がある場合の食事については、医師や管理栄養士にご相談ください。
