5月には鯉のぼりが飾られているのをよく見かけますよね。
童謡「こいのぼり」は、皆さんも歌ったことがあるのではないでしょうか。
こいのぼり(作詞:近藤宮子 作曲:不明)
♪ 屋根より高い こいのぼり~♪
からはじまる、あの歌です。
ところで、歌詞に出てくる真鯉と緋鯉って何のことか、ご存じですか?
童謡「こいのぼり」の歌詞や、鯉のぼりについて紹介していきます。
鯉のぼりの真鯉と緋鯉とは?
童謡「こいのぼり」の歌が発表されたのは昭和6年(1931年)です。
真鯉は黒い鯉はお父さん、緋鯉は赤い鯉は子供たちを意味しています。
鯉のぼりの真鯉はお父さん、緋鯉は子供たちと見立てて、「子供たち(男の子)とお父さんが健康に過ごせるようにという願いを込められた鯉のぼりが、空を楽しそうに泳いでいますよ」という風景を表現しています。
童謡「こいのぼり」の歌詞にお母さんが出てこない理由
上記の歌詞には、お母さんが出てきません。お母さんが出てこないのは、なんだか寂しいですね。現代に生きる30代の私は、お父さんと子供がいるなら、お母さんが出てきて当然と思ってしまいます。
こいのぼりを飾るようになった初期の頃は、黒い真鯉(お父さん)の一匹でした。
明治になり、黒い真鯉(お父さん)と赤い緋鯉(子供)の二匹の対になり、昭和になり「家族」を大切にする風潮になり、黒い真鯉(お父さん)、赤い緋鯉(お母さん)、小鯉(子供)の三匹になったそうです。
これは、歌が発表された昭和6年当時は、お父さんが一家の大黒柱という考えが強かったため、家長であるお父さんと子供(男の子)という設定になったと考えられています。
まだまだ男性社会で、女性であるお母さんは登場しなかったのですね。
戦前はまだまだお母さんの地位が低かったことや、端午の節句は、江戸時代から男の子の祝い事だから、などが理由があるそうです。
そういえば、5月5日はこどもの日ですが、女の子ではなく男の子の祝いごとですよね。
鯉のぼり真鯉の上の吹き流しの意味は?
鯉のぼりの一番上にある飾りは何かご存じですか?
あれは吹き流しという、流れる滝を表したものなんです。
なぜ真鯉や緋鯉よりも上に飾ってあるのかというと、鯉が滝(吹き流し)に向かって泳いで登るようすを表現しているからです。
「鯉の滝登り」は、立身出世の象徴でもあり、子供には社会的に高い地位や身分を得てほしいという親の思いが込められています。
身分制度があった時代もあるので、上記のことが重要で自分の子供にも求めていたのですね。
昔、日本では子供が健やかに成長することを願い、家の前に長い竿を立ていて、
この竿を伝って、神様が天から降りて子供を守ってくれると信じていたそうです。
また、早く神様の目にとまるようにと五色の布を竿の先端につけるようになり、これが鯉のぼりの吹き流しの原型になったといわれています。
神様に見つけてもらいやすいように工夫して、子供を守っていただけるように祈っていたんですね。
鯉のぼりの吹き流しは、「青」→「赤」→「黄」→「白」→「黒」、通常5つの色で構成されているそうです。
「滝」を表しているのに、なぜこんなカラフルな配色になるのでしょうか。
それは、五色(ごしき)と呼ばれる5つの色を使っているからです。
その5つの色とは、青、赤、黄、白、黒です。
この5色が巡って良い循環になることから、邪気を追い払う意味としても使われています。
この五色の色は鯉のぼりと同様に中国の五色説が元で、色によって邪気を祓う力があるとされているそうです。
鯉のぼりの吹き流しも、子どもの無病息災を願った意味もあるのだそうです。
鯉のぼりてっぺん矢車の意味は?
回転球のすぐ下にある2つの車輪は、矢車といいます。
風が吹くと風車のように回るものですね。
私は、風車と呼んでいました。
矢車には、魔除けと神様への目印、という2つの役割があります。
少し話は違うかもしれませんが、神社に厄払いに行くと、矢をいただきますよね。
「御神矢」と書いてありました。大切に飾っておくものですね。
矢は、私たちを守ってくれる意味をもつのですね。
あの矢車の回転音は、神様に「私の家には男の子がいますよ!見つけてください!」と、合図を送っている音なんです。神様にお知らせしているのですね。
まとめ
鯉のぼりを飾ることは、男の子のお祝い事ということは当たり前に知っていましたが、鯉のぼりの歌詞の意味のことは深く考えたことはありませんでした。
そして、鯉が何匹なのかも曖昧でしたが、様々な時代背景で変化していったのですね。
私は小さい頃、弟と5月には鯉のぼりを飾り、楽しんでいました。
しかし、最近は鯉のぼりを飾っている家が少なくなっていると感じます。
こいのぼりの歌が作られた時代背景がありますが、両親は皆、いつの時代も子供の健康や成長を願っているものですよね。
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